しこりには①自宅でご家族が見つけて「しこりがある」と連れてきてくれる場合と、②健診や何らかの検査の際に外から見えないところに「しこりがある」となる場合があります。
①しこりが目で見えるところにある場合、その場所や深さ、触り心地などからいくつか可能性のあるものが考えられることが多いですが、見たり触ったりしただけで確定診断することはできません。中身を採取して調べる必要があり、当院では「針生検」を最初に実施します。注射するのに使う細い針をしこりに刺して、針先についてくるぐらいの少量の内容物を顕微鏡で確認します。特徴的なものではそれだけで診断がつくこともありますし、そうじゃなくても「悪性腫瘍の可能性があるかどうか」「腫瘍以外のものではないか」など、ある程度種類を絞り込むことが可能です。
②目に見えないところにある場合、それがどこにあるのか(どこかの臓器の一部なのかそうではないのか・・・など)をレントゲン検査や超音波検査で確認します。場所によっては①と同様に針生検を実施します。体表にある場合と比べて針生検のリスクが高い場所も存在するため注意が必要です。また大きなものやどの臓器と関連しているかが分からない様なものの場合、より詳しい検査にはCTなどの特殊な検査が必要な場合もあります。
しこりの場所、大きさや種類が分かれば、
・そのまま様子を見ていてもいいものか
・手術をして取ってしまった方がいいのか
・どの様な手術方法がいいのか
などについて判断することができます。基本的に悪いものの可能性が高ければ高いほど、きちんと全身麻酔をして取り残しがない様にきちんと手術をする方がいいことが多いです。
反対に、良性腫瘍や腫瘍ではないしこりに対しては、そのまま様子を見たり、場所や大きさによってはレーザー蒸散手術など局所麻酔で対応可能な処置を行うこともあります。
悪いしこりでは短期間に全身に広がってしまうこともありますから、ご自宅で見つけたら早めに連れてきていただき、確認させていただくのがいいです。
体の中のものはご自宅で見つけるのは難しいため、定期的な健診での早期発見をお勧めします。