手術前のすべての動物に行う検査は身体診察です。
これには、ご自宅での普段の様子最近気になること、予防歴などの問診から、その子を見て異常がないか(視診)、触って何か異常がないか(触診)、聴診器で音を聞いて異常がないか(聴診)などが含まれます。基本的には診察台の上で行う物ですが、場合によっては診察室や待合室を歩いている様子を見たりすることもあります。
身体検査だけでもさまざまな情報が得られます。
心臓の雑音や関節の異常、腰の違和感、歯周病、外耳炎など、異常があるのにご家族が気づいていないようなものが見つかることも少なくありません。すぐ問題になるものばかりではありませんが、その子の生涯に影響する可能性がある場合には、きちんと知っておくことが大切です。
この身体診察は、特に麻酔前だからといってやるものではなく、日常の診察の際に毎回必ず行いますし、毎月検診に来ていただいている方にももちろん毎回行います。定期的に来ていただいている方の場合は前回やその前との比較も行います。こうしたことの積み重ねが、異常を早く発見することにつながります。
予防接種や誕生日検診の際には、身体診察の結果をわかりやすく記載したものも合わせてお渡ししています。毎回の結果を溜めておいていただくと、その子の変化を見てあげることができるようになっていますので、ぜひ保存しておいてあげてください。