皮膚科の診察⑤ | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

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皮膚科の診察⑤

さて治療です。

皮膚の治療を進めていく手順としては

①感染症の除外
感染症は強い痒みを起こしますし、基本的には感染症の種類別に適切に対処することで治すことができます(できないものもあります)。感染症を起こす原因(基礎疾患)がある場合も、まずは感染症を適切に管理しないとその原因まで辿り着けないことが多いため、感染症がある場合はその治療をまず行います。

②栄養管理
健康な皮膚を作るためには、適切な栄養補給が必要です。また食事に皮膚病の原因があると考えられる場合(食物不耐症や食事アレルギーなど)には除去食テストの実施(対応したフードと水だけで1〜1.5ヶ月過ごして「食べ物によるもんだが出ていたかどうか」を確認するテスト)を行います。あるいは適切な栄養バランスで、通常よりも皮膚の改善にさまざまなビタミン・ミネラルなどを強化したフードがあります。

③アレルギー検査
アレルギー性皮膚炎の場合、必要に応じて血液検査を用いたアレルギー検査を行う場合があります。環境中の因子あるいは食事中の因子をある程度特定して対策を検討したい場合には有効な方法です。

 

④スキンケア
スキンケアは全ての皮膚疾患で、副作用が少なく有用です。適切なシャンプーを用いた定期的な皮膚の洗浄、皮膚の状態に合わせた保湿が主となります。シャンプーにもいろいろな種類があり、皮膚の状態に合わせて使い分けることが必要な場合もあります。またブラッシングなどのグルーミングも大切です。スキンケアをすることで改善した皮膚の再度の悪化を防いだり、必要な投薬を減らしたりすることができます。その代わり、やや手間がかかります。また犬や猫の性格によってはシャンプーやブラッシングが難しい場合もあります。ご自宅でのシャンプーが難しい場合、トリミングサロンなどに頼らざるを得ない場合もあり、月に数回以上の頻繁なシャンプーが現実的に難しい場合もあるかもしれません。

⑤投薬治療
ここまでの治療で痒みがどの程度減ったかを判断します。元々の痒みが10あったところが0になれば一番いいですが、アトピーやアレルギーがある場合にはなかなかそこまで改善することが難しい場合もあります。それでも2〜3程度の痒みになれば、日常生活では問題のないことも多いものです。そこまでの改善がない、あるいはより痒みを改善したいという場合には「痒み」に対応したお薬の投与で更なる痒みの改善を行います。体や皮膚の状態によっていくつかお薬があります。

 

多くの皮膚病(そのほとんどはアトピー性皮膚炎が関与していると考えられます)は完治することがなく、またそのまま放置しておくとどんどん悪くなっていってしまいます。早い段階で適切な治療を行い、薬に頼りすぎずに栄養管理やスキンケアを徹底することで、生涯にわたってできるだけ痒くなく過ごすことができるようにするのが治療の目標になります。

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