「予防薬のような体に害のあるものはあげない方が良い」と言われたという患者さんがいらっしゃいました。
犬や猫の「予防薬」となると、混合ワクチン、あるいはフィラリア症、マダニ・ノミの予防薬のことがほとんどです。これらの薬はいずれも「動物用医薬品」に分類され、日用品とは異なる管理がされています。
大昔と違って、今は犬や猫の薬であってもある程度きちんとした基準があって、それをクリアしたものが、正式に薬として承認されています。そうした中から、獣医師やあるいはご家族がどういうものがいいか選んでいることがほとんどだと思います。
予防薬が体に「いい」かどうかはなんとも言えませんが、少なくとも予防しなければ命に関わるような病気になる可能性があるから予防するわけで、予防しないとどうなるかを議論せずに「あげない方が良い」というのは、健康管理としては全く意味がありません。そう言っている人の犬が「病気になったことがない」というのも、予防薬をやったやらないと関係ない(予防薬やっても普段病気にならずに過ごしている子はたくさんいる)ものなので、科学的根拠のない発言に左右されないように、冷静に考えて欲しいものです。