犬の去勢手術 | 札幌市清田区の動物病院 すぎうらペットクリニック

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犬の去勢手術

去勢手術は雄の不妊手術のことで、犬猫病院では最も多い手術の一つです。

ご家族にとってはほとんどの場合が「初めての手術」「初めての麻酔」ということになります。やった方がいいのか、安全にできるのか、いろいろ心配なことがあると思います。

去勢手術をする理由は大きく分けて2つあります。一つ目は「雄特有の行動を起きにくくして人間と生活しやすくすること」。もう一つは「病気を予防すること」。

①雄特有の行動を起きにくくして人間と生活しやすくすること

犬では足を挙げての排尿やマーキングは生後半年くらいを過ぎるとやり始めることが多く、その前に去勢手術をすることでそうした行動を減らすことができます。散歩中は足を上げるけど家の中では腰を落として排泄するといったことが可能だと、自宅でのトイレトレーニングが格段にしやすくなります。

また、環境変化などのストレスの際にあちこちにマーキングをするような行動も、去勢しておくことで減らすことができます。

生活環境周辺に発情中の雌犬がいると、未去勢の雄犬は普段と違う行動をしたり、その犬のところへなんとか行こうと頑張ったりしてしまいますが、そうした発情に関連した行動もなくなり、穏やかに過ごすことができるようになります。

②病気の予防

雄犬では中年齢〜高齢になる5歳を過ぎたあたりから、雄性ホルモンの影響を受けやすい前立腺や精巣の病気が増えます。

去勢手術をしておくことでこうしたホルモンの影響を受ける疾患を防ぐことができます。また時々見られる潜在精巣(本来成長期の初期に陰嚢内に収まるはずの精巣がお腹の中あるいは腹部の皮下に留まっているもの)では精巣腫瘍の発生率が極端に増えるため、去勢手術は絶対にするべきです。

去勢手術をする上でデメリットは、全身麻酔が必要なことでしょう。全身麻酔は決して危険なものではありませんが、絶対安全というものでもありません。私たちは少しでも危険を減らして安全に全身麻酔・処置ができるように、事前に身体検査や血液検査、画像検査を行ってその子の健康状態を把握するようにしています。全身麻酔についてはここで書くと長くなってしまうので、別に項目を設けて書くことにします。

去勢手術をする時期については、すでに成犬になっている場合は「できるだけ病気になる前の早い時期に」することをお勧めしています。高齢になって色々な疾患になると全身麻酔のリスクが高くなるためです。

まだ若い子の場合、当院では「生後6ヶ月程度を目安に」とご説明しています。この時期ではまだ足を上げて排尿するようになる前のことが多く、この時期に手術をすることでその後も足を挙げずに排尿することが多いためです(環境などにもよるため100%ではありません)。室内での排尿の習慣をつけるうえでは、腰を落として排尿してくれたほうが助かります。

また、この時期は乳歯が生え変わり終わる時期です。時々抜けずに乳歯の一分が残ってしまうことがあり、その場合には残った乳歯を抜く必要があります。犬の場合は1本抜くにも全身麻酔が必要になるため、去勢手術をする際に一緒に抜くことをおすすめしています。

また当院では全身麻酔の際に歯並びや歯の数をチェックするようにしており、その際に顎のレントゲン撮影も行います。こうすることで表面から見えない顎の骨や歯の根元の異常、あるは生えてきていない埋まった歯を発見できるなど、お口の健康・治療に役立てることができます(生後1歳までは無料、1歳を過ぎている場合は有料でのオプションサービス)。

手術当日は朝お連れいただき、夕方お迎え頂きます。手術の傷は高品質な吸収糸を使って皮膚の内側で縫合しますので抜糸は不要で犬も傷を気にしにくいですが、中には傷を舐めたりかじったりしてしまう子がいますので念の為エリザベスカラーや術後服の装着をお願いしています。術後10日ほどで傷のチェックにお連れ頂いて問題なければ終了です。

20年ほど前まで、去勢手術が今ほど一般的ではなく、高齢犬の精巣腫瘍や前立腺疾患、会陰ヘルニアを見る機会が多かったのですが、去勢手術が一般的になってからはそうした疾患を見る機会はかなり減りました。高齢になってから病気に苦しむことが少しでも減らせるのであればいいですね。

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