当院では、最近増えてきている歯周病に対する早期介入・治療にも力を入れています。
犬や猫が長生きするようになり、歳をとってから「口がくさい」「口が痛くてものが食べづらい」などという子を見かけることも多くなりました。通常はこういうことが起こるよりずっと前から気になっていたはずで、いよいよ我慢できなくなって病院に来るのでしょう。
現在は、3歳の犬の8割が歯周病にかかっていると言われるほど歯周病が多い病気だということが分かっています。歯周病は口の中で細菌が異常に増殖している状態で、犬や猫は常にその細菌を飲み込んだり、歯肉から細菌が侵入したりしていますし、人間はその口で舐められたりしているわけです・・・。
歯周病は、できれば「歯肉炎」の段階で食い止めて進行させないことが大切です。歯肉炎は適切な処置とホームケアで治すことができますが、歯周炎になってしまうと治すことはできず現状維持を目指して頑張るしかありません。それでも100%の現状維持はなかなか難しいものです。進行すると「歯を抜く」ことも必要になります。
人間では「80歳で20本の歯が残っている(くらい口腔内をケアしている)と、医療費が安く済む(病気が少なくて済む)」ということから「8020運動」というのが推奨されているようです。
歯石が付着して見た目に歯に色がつきはじめたら、ご来院の際にご相談下さい。「もうちょっと様子を見てもいいかなぁ」と考えていると、進行して手遅れになることもあります。
先日はビーグル犬のBちゃんの歯を処置しました。
Bちゃんは7歳。7歳でこの歯ならむしろ綺麗なくらいですが、それでも奥歯は歯石の付着が多く、第二後臼歯(一番奥の歯)は左右ともグラグラして抜歯が必要な状態でした。
また、一部の歯は先端が欠けたりすり減ったりしていました。
こうした部分は、欠けの大きさやその部位をどの程度ご自宅でケアできるかによっても処置がかわりますが、状況によっては抜歯が必要になります。
処置が終わるとすっきり綺麗。抜歯した部位はぱっと見た限りでは全然わからないでしょう。
この状態をいかに保てるかはご自宅での適切なケアができるかどうかにかかっています。そして定期的にチェックし、必要に応じて数年に1回程度こうした処置をしてあげれば、一生歯が長持ちします。
一度愛犬・愛猫の口の中を除いてみてくださいね。臭わないですか???