体の表面に、いわゆる「イボ」ができるのは、加齢性変化によるものの場合もあります。
こうした「イボ」が悪性か良性かは針生検と言って細い針で中身を採取して顕微鏡で見ることである程度当たりをつけることができます。
悪性腫瘍の場合は、イボ本体からある程度の距離をとって広範囲に切除をして根治を目指した治療を実施することがほとんどです。
良性腫瘍の場合は、できている場所や大きさ、犬や猫の性格によりますが、手術で切除する他にも対応方法が見つかる場合があります。
本日来院したビーグル犬のLちゃんは、以前から目の縁にイボができます。悪性のものではないのですが、大きくなって眼球に触れると目に傷ができたり刺激になってしまいます。もう18歳のLちゃんはできるだけ麻酔を掛けたくないというご家族の意向もあり、凍結治療でイボの処理をしています。
凍結治療は専用の器具を使って、イボを瞬間冷却して腫瘍細胞を死滅させたり血液供給を遮断したりする方法です。良性の小さなイボを選んで用いることで効果的に行うことができます。
ただ、この方法は処置をしてすぐにイボが消えるものではありません。一度の処置は15分程度ですが、2〜3週間おきに何度か実施することでじわじわと小さくなっていくイメージです。
実施すると以下の様な変化が見られます。
0〜24時間
赤くなったり少し腫れたりする場合があります。またイボの表面から液体や血液が僅かににじみだしてくる場合があります
1〜14日
表面がかさぶた状になったり固くなったりします。自然に剥がれ落ちるまでそのままにしておきます。剥がれると中のイボが小さくなっていますので、必要に応じて再度処置を実施します。
Lちゃんは以前この処置をして約1年間イボがない状態で生活していましたが、また大きくなってきてしまいました。また何度か実施して違和感のない状態にしてあげられると思います。