口腔内の診察を進めるにあたり、大雑把には診察の段階で見える範囲を確認してご説明させていただきますが、細かいところは全身麻酔をしてからじゃないと検査ができません。一番奥にある歯は無麻酔で見ることはまず無理ですし、歯の裏側も多くの場合はおとなしく見せてはくれません。ましてや赤く腫れた歯茎に触ったり、歯がグラグラしてないか一つ一つ触ってみたりといったこともできません。
当院で口腔内処置を行う場合、まずは一般的な診察をお受けいただき、口の中だけでなく全身の評価をさせていただきます。
その上で、口腔内処置に進む場合は麻酔前の検査をさせていただきます。これは主に年齢によって検査内容が異なり、20,000円(3歳以下)〜34,000円(7歳以上)程度です(あくまで目安で事前の身体検査の結果変わる場合もあります)。
事前の身体診察と検査で全身麻酔を行う上で問題がない(あるいは問題があっても歯科の処置がそれに優先される)と判断した場合には口腔内処置の予定を立てます。
通常の診察では、診察の結果をもとに病状をご説明し、治療方針を決定してから治療を行います。
しかし、口腔内の処置はそれとは異なり、麻酔の前には「こういう可能性があり、こういう治療をする予定です」というご説明しかできません。麻酔後の検査で当初の予定より症状が軽いあるいは思いといったことが起こり得るためです。
そのため、当院では口腔内の処置を行う上で2種類の方法をご提案しています。
1つめは、まず全身麻酔下で検査を行い、それをご家族に説明した上で処置の方針を決める方法です。全身麻酔下での口腔内の検査により悪い場所がはっきりし、それに対しての治療方針をご提案することが可能です。特に抜かなければならない歯がある場合、何本程度抜く必要があるのか・・・とか、ある程度の処置でしばらくは維持できる可能性があるが再度の処置が必要になるとか、そういったご相談をさせていただき、できるだけ抜く処置を行うのか、できるだけ抜かない処置を行うのかを検討します。処置前にご家族と打ち合わせることで、思ったよりたくさん抜かなければならなかったとか、歯を残した結果また麻酔をして処置をする必要が出たといったことを事前に了解していただいた上での処置が可能です。
全身麻酔が2回に分かれるためやや費用がかかりますが、一度の麻酔時間が短くなる(検査だけ、処置だけになるため)ので体にかかる負担はむしろ少なくなると考えられます。
2つめは一度の全身麻酔で検査と治療を同時に行う方法です。この場合は検査結果を踏まえて当方で治療方針を決めてそのまま処置まで実施し、全てが終わった後でご家族に状態のや処置内容のご説明をさせていただきます。全身麻酔の前までにご家族と治療の方針(今後できるだけ処置が必要ない状態を目指すのか、こまめな処置でいい状態を維持することを目指すのか)について話し合った上で最良と考える方法で処置を行いますが、想定外に抜歯が多いなどといったことが起こる可能性があります。
全身麻酔が一度で済むため費用や通院回数は少なくて済みます。
詳しい検査内容や口腔内診察・処置については当院までご連絡ください。