犬や猫のワクチン接種は、病院によって接種のタイミングや方法がさまざまでわかりづらいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
昔はワクチンは年1回というのが一般的でした。その後ワクチンを打ちすぎることによる弊害がわかってきて、色々議論されました。
当院では「WSAVA(世界小動物獣医師会)」のワクチンガイドラインに基づいて、コアワクチンについては「子犬・子猫では16週をすぎるまでの複数回の接種」「成犬・成猫では3年以上の接種間隔」「年1回の詳細なヘルスチェック」を採用しています(犬の狂犬病ワクチンについては毎年の接種が必要です)。
このガイドラインは2004年に策定され、2010年にアップデートされました。最初に策定されてから20年近くが経過していることになります。
最近はワクチンの抗体価測定が比較的簡単にできるようになったことから、ワクチン接種の代わりに抗体価の測定を希望される方、あるいはワクチンによる副作用が出たためワクチン接種を極力避けるために抗体価測定を選択する必要がある子が時々います。
抗体価測定は、ワクチン接種や感染により体内で作られた抗体がどのくらい存在するかを測るもので、ワクチンの追加接種の必要性を確認する方法として利用されています。当院ではワクチン接種3年目までは抗体価測定も特に不要と考えておりますが、それを過ぎてワクチン接種を検討する場合は年1回の抗体価測定を行い、十分な抗体価が存在する場合にはその結果をワクチン証明書が必要な時の代替資料としてお使いいただけるようにしてお渡しするようにしています。
中には10年以上前に接種したワクチンでも十分な抗体が存在することもあります。
ワクチン接種についてお悩みの方は当院へご相談ください。