血液検査は文字通り血液をとって行う検査です。よく行われる検査なので、ご自分が受けたことがあると言う方も多いのではないでしょうか。検査と言えばこれがいちばん検査らしいかもしれません。
犬や猫で行われる検査の一般的なものは、貧血や白血球の異常、血小板の異常がないかどうかを確認するCBCと呼ばれるものと、肝臓や腎臓その他臓器の異常や炎症反応がないかどうかを見る血液化学検査に分けられます。とは言っても一般的にはそれを同時に行うことも多く、血液検査と言う場合は殆どの場合これらをまとめて言います。
この他に特殊な検査としては、ホルモンの量を測定するような検査や、ウイルスに対する体の抵抗力を見るための抗体価検査、アレルギー反応の有無を見るアレルゲン検査など、血液検査といってもいろんな種類のものがあります。
ただし、残念ながら人で言われるような「がん」のマーカー検査のようなものは、実用性のあるものはありません(一応それっぽいものはありますが、きちんと実用的なものはまだないのが現実です)。
この検査の各項目にはある程度の基準値というものが設けられていて、一般的な犬(基本的には子犬成犬、老健など年齢によって開けられたりしますが)のおよそ9割が収まる範囲の数字が示されていることが多いです。ただ、その範囲はあくまで目安で、本当はその子その子で基準値と言うものは違います。ですから、健康な時に何度か血液検査を行ってうちの子の基準値と言うものを見つけておくと、将来基準値の範囲の中でも家の子にとっては高いと言った異常を早期に見つけることができます。
人の体温が36度位といっても、普段から低めで35度位の人もいれば普段から高めで36度後半という人がいるのと同じことですね。
血液の採取は人間と同様細い針を血管に刺して行いますので、チクッとはしますが多くの子では我慢ができる範疇ですし、中には全く気づかない子もいます。採血の際にはきちんと当院のスタッフが保定をした上で安全に採血を行いますのでご安心ください。
若い頃には年に1回(これは人で4〜5年に1回と同じ位のイメージですが)、7歳を過ぎたら年2回ほど検査を行うことが推奨されています。また何らかの病気だったり確認する必要のある異常があった場合には、より間隔を詰めて検査する必要があるでしょう。
その他に全身麻酔をする前(検査や手術などで)や何らかの体調の異常がある場合にも行います。
検査結果は必ず手元に置いて、保存しておいてください。いちどの結果だけではなく前回、前々回と比べてみることが大切です。過去のデータを並べてみると思ったより数値が上がったり下がったりしていることもあります。異常値を示す前にそうした変化を発見できると、病気を未然に防ぐことができますよ。