最近はなんでもインターネットで検索すると情報が載ってますね。ネット上の情報は信憑性の高いものから低いものまで様々(基本的に信憑性の高いものは少なく、信憑性の低いもののほうが耳障りがよく聞こえますね)。
病院にいらっしゃる方からも、「ネットにはこう書いてあったけどどうなの?」「ネットでおすすめのサプリメントはこれといっていたけどホント?」といった問い合わせを受けることがあります。分かる範囲でお答えするのですが、聞いたこともないようなものの話が出てくることもありびっくりします。とはいえ、病院で聞いてくれる方はまだ「ほんとなの?」と疑ってかかってくれているからいいですね。中には相談せずに色々なものに手を出してしまってわけが分からなくなってしまっていたり、逆に体に害になるような物をあげてしまっていたりする場合もあり、ネット情報の怖さを思い知らされることがあります。
そんな中で、最近のお問い合わせ。
一つ目は「薬の投与量」について。お出ししていた薬について調べたというRちゃんのお母さんから、「ネットで見たらこのお薬の投与量が◯☓となっていたけど」と言うもの。お薬の投与量は通常ある程度の幅があり、病状や体の状態などに合わせて投与量を調整します。犬や猫の薬の場合、犬用/猫用の薬を使える場合はそれを、最適な動物用の薬がない場合は人間の薬を投与します。犬用/猫用の薬の場合は一般的な投与量がある程度最初から決まっていて、原則それにしたがって使用します。ただし効能状の薬用量はあくまで企業がその薬を作って販売許可を取ったときのもので、その後時間がたってより良い投与量がはっきりしてくる場合があります。それが当初の投与量より多かったり少なかったりした場合、獣医師の裁量で最も有効と思われる投与量で処方する場合もあります。またそもそも動物用の薬がない場合は人間用の薬を犬や猫に合わせてアレンジして使用します。この場合も一般的に最良と考えられる投与量がある程度決まっているお薬を使う場合がほとんどですが、人間の投与量とはそもそも全く違います。ですから、あくまで一般論的な薬の投与量と、実際のその子に使う投与量が必ずしも一致しているとは限りません。
こうした情報があまりに気になる場合は、その旨お問い合わせいただければご説明させていただきます。
もう一つは「ストレス」について。
ネットで調べたら、様々な体調不良の原因が「ストレス」と書いてあったのですが、この子の何がストレスなんでしょうか・・・と心配されて来院されました。「ストレス」というと私たちは精神的なものをつい思い浮かべるかもしれませんが、犬や猫に「ストレス」と使う場合はちょっと違います。体にかかる様々な力を「ストレス」と表現することが多く、例えば「寒さ、暑さ」や「栄養不足」「環境変化」「病気による体調不良」「痛み」など、様々なものを「ストレス」ということができます。ですから、日常生活でストレスがどのくらいあるかなんて、実際には墓利用がありませんね。明らかに大きく環境が変わるとか、普段と違うイベントが有った場合には「これがストレスかな?」と推測することはできますが、「昨日ちょっといつもより寒かったのがストレスだったのかな」と考え始めたらきりがありませんね。
ネット上の情報は玉石混交。あまり踊らされすぎないように、気になることがあればご相談ください。面白い(?)ご相談があったらまたここでご紹介します(^^)