先日は10歳の犬の右肩付近にできたしこりの手術をしました。
1年ほど前からあったそうですが、最近大きくなってきた気がするとのことで病院にいらっしゃいました。細い針で中身を採取して検査を行う針生検では診断をつけることができなかったため、ご家族が手術を希望されたのです。
皮膚のしこりは家でも見つけやすいもののひとつで、病院に来院される理由として比較的多く見られます。
「これは何ですか?」「悪いものではないですか?」やはり一番知りたいのはその点だと思いますが、単純に見た目や触った感触からしこりの種類を判断することはできません。しこりに針をさして中の細胞を取り検査する「針生検」や、より多くの判断材料(=細胞)を取って検査する「組織検査」が欠かせません。
「悪いものとわかると怖いから」という理由でこれらの検査をおこなわないという選択をされる方もいらっしゃいますが、いいものであれ悪いものであれ、早期に判断して適切な治療をおこなうことが一番なのは人間でも犬・猫でも同じです。
摘出したしこりは動物専門の検査センターに送って詳しく検査をしてもらいます。1週間ほどで検査結果が出ますので、それをもとに今後の治療を検討することになります。
これは「肥満細胞腫」を針生検したもの。これだけで診断がつく出来物の場合もありますが、摘出したしこりはキチンと組織検査を行います。