2024.06.07
犬や猫の治療に使う薬は、以前はほとんど人間用の薬を犬・猫に合わせて使用していましたが、だんだん「犬用」「猫用」といった薬が販売されるようになり、便利になってきました。
犬・猫用の薬は人間の薬と比べて比較的比較的高価になってしまいますが、その代わり犬・猫の好きな味がついていたり、投与しやすい剤型になっていたりと工夫が凝らされています。特に猫では投薬が難しいというご家族も多く、飲み薬での治療ができないこともあります。そんな中、ある意味究極の薬として、一度の注射で長期間効果が期待できる薬というのも開発されるようになってきています。
猫への投薬で苦労したことがある方も多いのではないでしょうか。
そうしたお薬の中に、関節疾患に苦しむ猫ちゃんのための新しい治療薬「ソレンシア」があります。
猫も人間と同様に、関節疾患を患うことがあります。特に高齢の猫では、関節炎や変形性関節症といった関節の問題が見られることが多いです。関節疾患の主な症状には以下のようなものがあります:
これらの症状は猫にとって大きなストレスや痛みを伴うため、適切な治療が必要です。
ソレンシアは、猫の関節疾患の治療に効果が期待できる新しい薬剤です。具体的には、モノクローナル抗体(mAb)を利用しており、炎症を抑え、痛みを軽減する効果があります。ソレンシアは、関節炎などの炎症性疾患に対して特異的に作用するため、従来の治療法よりも効果的かつ副作用が少ないとされています。
投与の手間が少ない代わりに副作用やリスクがあっては使用を躊躇してしまいますが、飲み薬と比べて安全性も高く副作用もないということになれば、使うデメリットはほとんどありませんね。
実際当院でも、慢性腎臓病の15歳の猫ちゃんや、19歳の脊椎疾患の猫ちゃんに投与して良好な結果が得られています。
関節疾患に悩む猫とって、ソレンシアは新しい希望となる治療法です。12歳以上の猫の90%に間接の病気があると言われています。最近活動性が落ちてきたなぁと感じたら、当院にご相談ください。